木の話

木の話

木は製材された後も生き続ける
だから10年は寝かせたい

 木は伐り倒され、引き割られ、乾燥させられて板材になっても呼吸し続け、収縮を続けます。「よく乾燥している」程度では、加工している最中に割れやねじれが生じてしまいます。10年かけての天日乾燥が必要です。
 私たちは東京営林局の入札資格を取得しているので、国有林の入札にも直接参加しながら、国産の木材をできるだけ多めに集めて寝かせます。同じ修理や新調に使用する木材は可能な限り同じ環境で同じ年月を過ごしたものを探します。なぜなら生育環境で木目の幅が異なり、加工すると隙間が生じたり押し合ったりして影響が出るからです。
 木材は丸太のまましばらく置いた後、目的に合わせた部材に引き割り、材料置き場に移します。そこで外回りの水分を飛ばすために、天日で2~3年ほどかけて乾燥させます。機械による強制乾燥は行いません。
 その後、反りが生じればもう一度材料を引き直します。このとき、最初の厚さは3割ほど減ってしまいます。割れが入れば泣く泣く細く直します。しかしこの引き直しは、狂いの少ない木材にするためのとても重要な工程なのです。
 こうして私たちは、突然の注文にも応じられる木材を確保しています。

トップページに戻る